【ページ内目次】

呼吸のステップ毎のポイント  ●吸息  ●充息  ●吐息  ●小息  ●静息
               ◇余禄  ◇余談

■呼吸のステップ

正心調息法の呼吸のステップは「4段階+1」の5段階になっています。
 ① 吸息 (息を吸う)
 ② 充息 (息を止める)
 ③ 吐息 (息を吐く)
 ④ 小息 (中継ぎの息をする)
この①~④を1回(1サイクル)として、25回(25サイクル)繰り返すのが、1日の目標となります。
25回(サイクル)が終わりましたら「静息」という段階に入ります。

 ⑤ 静息 (普通の息を10回する)

博士の2番目の著書「宇宙無限力の活用」までは、25回実修した後は「静息」で普通の息を10回しなさいと書かれています。当初は深い呼吸をした後の整理運動的な意味を持っていたと思われます。
しかし「大断言」という言霊を享けられた以降(著書で言うと「地球の破滅を救う」以降)は、静息時には「大断言」を10回唱えてほしい、というのが博士からのお願いになっています。

上記の各ステップに「想念・内観」を組込むのがこの呼吸法の特徴になりますが、まずは呼吸法のやり方自体、各ステップ毎の留意点について個々に説明していきます。

■各ステップでのポイント

●吸息のポイント

空気は鼻から、丹田に押し付けるようにゆっくりと静かに空気を吸っていきます。
宇宙無限力といっしょに、天頂から身体の真芯を通して、丹田に直接押し付けます。

肺を水袋、または風船だと思っていただいて、丹田の有る平面に置く、または上から押し付ける。
すると水袋は自重で、風船は圧力を受けた結果、前方だけでなく前後左右に膨らみますよね。そういう押し付け方です。
この吸息時には、上体は一切動きません。その点にも留意してください。

呼吸法の中には、まずは胸に空気を満たした後に肺底の方にも満たすというような手法もあるようです。他の場所にも書きましたが、塩谷博士は、胸が動いたり肩が上がったりするのは「深」呼吸ではなく、むしろ「浅」呼吸であると言われます。

また、吸う時にお腹を凹ませ、吐く時に膨らませる「逆式」と呼ばれる呼吸法もあります。塩谷博士は自らそれも体験された上で「順式」を選ばれています。

正心調息法講習会での実修の最初のチェックポイントは、吸息時に上体が動いているかいないかという点になります。

●充息のポイント

まずは息を止めます。
そして、吸息時に吸い込んだ空気を、さらに丹田に押し付けます。
それと同時に肛門を締めます。
充息の時間は数秒~10秒。必要以上に永く息を止める必要はありません。


肛門を締めるやり方には下記の2種類が有るそうです。各自やりやすい方法で実修していただければけっこうです。
 a. 吸息のときに徐々に締めていって、充息に入ったときには完全に締まっている。
 b. 吸息から充息に入るときにギュッと締める。
ちなみに私はbのやり方です。

「吸息で吸い込んだ空気をさらに丹田に押し付ける」というのは、こんな感じです。
お腹のベルトに腹圧を掛けて切ろうとする。その場合、ベルトへの圧力は前だけでなく前後左右、全方向に掛かっているはずです。そんな状態を軽く作る、ということになります。

●吐息のポイント

肛門を緩め、吸息のときの倍くらいの時間をかけて、ゆっくりと静かに鼻から息を吐き出します。

当サイトの博士へのインタビュー「熱海へ」でも触れられていますが、吐くことに伴う鼻息は聞こえないくらいの静かな呼吸になります。
以前、百歳時のTV番組の取材で博士の実修の場面が紹介されたとき、吐く時の鼻息が聞こえると指摘された方もいました。しかしあの場合はTV局の性能の良い指向性のマイクで、しかも博士に直近での録音ですから、結果的に音を拾ったということでしょう。できるだけ静かに吐いてくださいね。
また「吸息のときの倍くらいの時間をかけて」となっていますが、例えば吸息のときは5まで数えたから、吐息のときは10まで数えるというように、几帳面に考える必要はありません。できるだけゆっくりと、ということで構いません。やっているうちに少しづつ永くなってくるものです。


充息時には力を入れていますから、吐息に移る時にプシュッとなって一気に吐いてしまいがちです。

私も初めの頃はそんなことも有りました。これはですね、プシュッとならない吐き始め方をそれぞれの方に探していただくしかないかもしれません。そこを越えられれば、ゆっくり永く吐けるようになると思います。

●小息のポイント

吸息から充息までが深い呼吸になりますので、次の深い呼吸に備えるための間合いの息と考えてください。1回か2回軽く普通の息をしてください。不必要に沢山することはありません。
息を継いだら、また吸息のステップに戻ります。

他の呼吸法にもあるとの話も有りますが、この「小息」は正心調息法の重要なポイントになっています。これがあることで正心調息法は他の手法に比べて、簡単でやりやすい呼吸法になっています。

私自身、この「小息」があるので、自分でもできるのではないかと思った経緯が有ります。
博士に「これがあるから楽ですねぇ」と聞いたら、「うん、これがないと難しいんだよ」と言われていました。

小息は「普通の息」で構いません。腹式呼吸でなくとも鼻呼吸でなくとも構いません。自分で最も呼吸しやすい方法で結構です。ただ、流れの中ですので、慣れてくると自然に腹式、鼻呼吸になってくるのではないでしょうか。

講習会で小息が1回や2回では苦しい、もっとやってはいけないのか、という質問も有りました。その場合はおそらくは力み過ぎが考えられます。小息の回数を増やすよりは、1回か2回で済むように、吸息から充息、吐息の時の力配分を加減する方が良いと思います。

●静息について

「吸息」から「吐息」までの4ステップを25回(1日の目標)繰り返したら、「静息」というステップに入ります。
博士は当初ここで普通の息を10回して欲しいと言われていました。25回が深い呼吸になりますから、その後の整理運動的な位置付けだったと思われます。
しかし「大断言」という言霊を享けられてからは、静息時には大断言を10回唱えて欲しい、というのが博士からのお願いになっています。

ページトップに戻る

◇余禄

☆正心調息法を実修する適切な時間

とくに有りません。実修の間になにか邪魔が入らない時間帯なら何時でも可。早朝でも昼間でも、寝る前でも問題ありません。

☆正心調息法は難行苦行は一切しない

正心調息法は無理をしない、頑張らない、というのが原則。吸息から小息までの各ステップの切り替えも「苦しくなったら」ではなく「苦しくなる前に」次に移るのが原則になります。

☆吸息から小息までの1サイクルの時間の目安

これもとくに有りません。
塩谷博士が時間的な面で言われているのは次の3つの目安です。
 ①25回(サイクル)実修して、大断言を10回念唱すると、おおよそ20分程
 ②充息は数秒から10秒
 ③吐息は充息の倍くらいの時間をかけてゆっくり

ですがこれも「おおまかな目安」というだけです。具体的な数字を仮にでも挙げてしまうと、それに拘る人が出てきてしまうのでそれは避けなさい、というのが博士の考え方です。
あくまで自分に合ったペースで実修してください。

☆吐き切る必要は有りません

他の呼吸法では、始めるに当たっては吐き切ってから始めなさいとか、吐息時には吐き切りなさいとか言われます。正心調息法ではこれも不要です。「無理をしない」「頑張らない」というのが原則であることを忘れないようにしてください。ただし始める前や吐息時に「吐き切ってはいけない」では有りません。その方がやり易い方はそうすれば良いだけです。

◇余談

「呼吸」と言うからには「呼」(吐く)方が「吸(吸う)」より先だ、と言う話を聞いたことが有ります。その時は成る程と思いました。
その後、人間が生まれて初めてする呼吸は「呼」か「吸」かという話も聞きました。

赤ちゃんは胎内にいる時には母親の臍の緒を通じて酸素を貰っています。胎外に出て最初にすることは、まずは肺一杯に空気を吸い込んで膨らませて、一気に吐くことなのだそうです。その吐く時の声が「オギャァ」という泣き声だとか。人間の一生はまずは「吸う」ことから始まるという面もあるようです。
ということは、どちらが先だとかに拘る必要はないのではと思います。

ページトップに戻る