正心調息法ネットワークとは?

正心調息法ネットワークとは、塩谷信男博士が提唱した正心調息法という腹式呼吸法を、できるだけ永く伝えていくことを目的にした私・岩崎雅樹が代表を務める(と言ってもメンバーは私だけですが)任意団体です。
講習会は2000年7月から都内で開催(現在毎月2~3回実施)、塩谷博士が100歳を迎えられた2002年3月からは全国でも適宜開催。その普及活動を通じて、正心調息法を語り継いでいただける方々のゆるやかなネットワーク作りを目指しています。

塩谷博士の「普及に当たっては組織を作るべきでない」という基本方針を遵守して活動をしています。
組織そのものが決して悪いものではないのですが、組織化してしまうと、えてして「維持」というベクトルが強くなってしまいます。そのために、例えば会費を集める、会報誌を発行する等々、徐々に肥大化してしまいがちです。それを避けるためには、私も組織は作らない形での活動がベターであると判断しています。

組織がない以上、正心調息法を伝えるための資格制度も有りません。したがって、たまにネットで検索してみると、独自に講習会や勉強会を開催されている方も散見されますが、その方たち、そして私も含め皆さん無資格・無認可です。資金的に苦しいながら、全国で講習会を開催している主目的は、いろんな方たちに正心調息法を伝える語り部として立ち上がっていただき、そのネットワーク作りをしたいということが有ります。正心調息法ネットワークで使っている資料も著作権フリーですので、必要に応じて利用していただければ良い。また他の方がつくられた資料が有るなら、それを公開して皆で利用し合えば良い。それぞれで見解の相違が生じたときも、統一見解などは出さない。おわかりでしょうが、「統一見解を出した」その時点で「組織」になってしまいます。

ですので、博士の著書という原典は有るわけですから、常にそれを基にして各自判断をする。正心調息法の大前提である「正心」を旗印に、江戸時代の「町医者方式」での普及を目指しています。

町医者方式とは

これは私が勝手に名付けたものですが、主旨は次のようなものです。
江戸時代には「私は医者だ」と看板を出せば医者になれたそうです。国家試験等が有ったわけではないので、それで問題は生じなかった。ただ「あいつは藪医者だ」という噂が立つと誰も行かなくなる。そもそもお江戸の皆さんは、あまりお医者さんを信用していなかったとの話も有ります。余程評判の良い医者はともかくも、けっこうとっかえひっかえしていたようです。となると良い医者、自分に合った医者を見つけるのが大変だったかも知れませんが、ある意味では病院の大きさであるとか医師免許の有無で判断するよりも公平な評価につながっていたかもしれませんね。

 ※ただし正心調息法の場合はとっかえひっかえするほど「伝える側」が多くは有りませんけれど。

組織を作らずに正心調息法の普及活動をしていこうとする場合に、活動して良い人といけない人を判別しようとすると、いわば「認定組織」が必要になってしまいます。正心調息法の解釈が異なった時に統一見解を出そうとすると、前述のように出したその時点で「組織」になってしまいます。また、例えば私とか特定の個人に判別を委ねれば、それはそれで妙に特定個人が権威付けされがちになります。

ですので正心調息法の普及活動は「町医者方式」しかないのではないでしょうか。どなたかが正心調息法を伝えたいと思ったら、講習会でも勉強会でも独自に立ち上げればいい。講習会に必要な資料が有れば融通しあえば良い。
旗印は「正心」。常に博士の著書を基本として、自らの「正心」にかけて活動していけばいい。そう思っています。

2021年時点で正心調息法の講習会含む普及活動をしている方々は、私の知る範囲では今年71歳になる私と同等かその上の方になります。博士が常寿と言われる100歳まで頑張るにしても、残りは後30年ほど。私も含め現在普及活動をされている方々がこの世から旅立ったら、正心調息法断絶なんてことになりかねません。
そうなるよりは、我々よりも若い世代の方にどんどん手を挙げていただいて、正心調息法を語り継いでいっていただけるなら有難いことです。お金儲けになる話でも有りませんし、例えば講習会を定例開催するのも簡単ではないのは事実です。語り継ぐ方が全国各地で手を挙げていただくことを心から願っています。